日本人男性の多くが症状を抱えているといわれる包茎。
誰しも生まれたときは陰茎が皮を被っているものですが、それは次第に剥けていくべきものです。
それがいつまで経っても剥けないと「包茎」と呼ばれるものになります。
では、陰茎の皮はいつまでに剥けているべきで、いつからが「包茎」といわれる症状に該当するかなど、子どもの包茎について解説します。
子どもの包茎とは
包茎とは、亀頭が包皮で覆われてしまっている状態のことを指します。
この状態が長く続くと、衛生上の問題が生じたり、性病のリスクが高まったり、さまざまな症状が起こり得ます。
ただし、生まれてきた瞬間は、包茎であるのが正常です。
生まれてきたときから亀頭全体が包皮で覆われていない場合はむしろ異常で、尿道下劣などの症状が疑われます。
詳しくは下記をご覧ください。
参照子ども(幼児・小児)の包茎(ほうけい)とは?手術方法や費用まで解説
子どもの包茎はいつ皮が剥ける?
しかし、いつまでも亀頭が包皮を被っているというわけではありません。
年齢とともに、次第に包皮が剥け始めるのが正常です。
いつ包皮がむけるのかについては、子どもによって個人差があり、タイミングはさまざまですが、早ければ4歳から5歳、遅くても14歳から15歳頃には包皮を完全に剥ける状態になっているのが正常です。
15歳を超えてもなお、亀頭が包皮を被っている場合は、包茎の可能性を疑った方がよいでしょう。
子どもの包茎の症状
では、子どもの包茎には、具体的にどのような症状が見受けられるのでしょうか。
そもそも、包茎自体は病気ではなく、痛みや日常生活への弊害などもありませんが、包茎でいることによって、さまざまな症状が起こり得ます。
包茎によって引き起こされる症状について、時期別に解説します。
乳児期
乳児期には、尿道に細菌が侵入して腎臓や膀胱で炎症を起こす、尿路感染症のリスクがあります。
幼児期
①おしっこをするときに包皮が膨らむ(バル―ニング現象)
包茎であることにより包皮口が狭くなっているため、排尿時に包皮の内側におしっこが溜まり、風船のように陰茎の先が膨らんでしまう症状です。
②おしっこが飛び散る、2方向以上に散らばる(尿線不良)
包皮の状態によって、おしっこが思わぬ方向に飛んだり、シャワーのように複数の条項に飛び散ったりすることがあります。
③皮が痒い、汚れている(亀頭包皮炎)
陰茎が炎症を起こしてしまい、先端が赤く腫れてしまうことがあります。
痛みを感じたり、ひどいときは包皮から膿が出ることもあります。
④おしっこするときに痛がる
包茎の子どもは、排尿するときに痛みを訴えることがあります。
もしお子さんが少しでも痛がっている様子を見せていたら、包茎の可能性を疑いましょう。
思春期
包茎状態が思春期まで続くと、勃起時にも包皮が剥けず突っ張った状態になるため、陰茎が痛くなることがあります。
子どもの包茎の治療方法
それでは、そんな子どもの包茎、どのように治療すればよいのかを解説します。
包皮翻転指導
まず紹介する治療法は、「包皮翻転指導」と呼ばれる治療法です。
漢字だけ見ると難しそうな言葉ですが、やること自体は簡単で、軟膏を使用し包皮の外側を手でずり下げて亀頭を露出させる方法です。
最初の段階では、包皮の表面から少量の出血を伴うことがありますが、少なくとも2週間以上は継続的に実施する必要があります。
この治療のポイントは、包皮をずる剥いたあとは、必ずもとに戻しておくことです。
剥いた包皮を元に戻さないままでいると、皮膚がむくんで元に戻らなくなります。
激しい痛みを伴うようになったら、別の治療をすることになります。
手術療法
続いて、医師に治療してもらう方法があります。
亀頭を覆っている包皮を環状に切り開いたり、切れ目を入れて剥けやすくしたりする治療です。
手術時間は30分以内、24時間後にはシャワーを浴びられるようになるなど、日常生活に与える支障も小さいので、ことのほか手軽に治療できます。
まとめ
以上、子どもの包茎について、その症状と治療法についてお伝えしました。
14歳から15歳頃になっても、陰茎が包皮を被っている場合は、包茎の可能性が高いです。
包茎そのものは病気ではありませんが、包茎によってさまざまな症状を併発するおそれがあるため、早めに治療することをおすすめします。